研究概要 |
1. Cardio-Facio-Cutaneous(CFC)症候群および類縁疾患の原因遺伝子解析 CFC症候群および臨床的に類似した表現型をもつ症候群であるヌーナン症候群、コステロ症候群患者またはこれら3症候群が疑われる患者検体を新たに41例収集した。これらの新たな検体およびこれまでに集まっていた患者検体について、BRAF, KRAS, MEK1, MEK2, PTPN11, HRAS、および最近ヌーナン症候群の原因遺伝子として判明したSOS1, RAF-1遺伝子解析を行った。これらの遺伝子解析は、遺伝子変異と臨床症状の関連を明らかにするため重要である。さらに、変異の同定されなかった検体については候補遺伝子の解析を進めている。 2. 新規原因遺伝子発見を目指した候補遺伝子解析 CFC症候群患者においてはBRAF, KRAS, MEK1, MEK2遺伝子をシークエンスしてもなお40%程度は変異が同定されず、原因は不明のままであり、新たな原因遺伝子の存在が疑われている。新たな原因遺伝子の同定は、疾患の診断のみならず、発症のメカニズムを知るためにも大変重要である。 そこで、BRAF, KRAS, MEK1, MEK2遺伝子変異陰性のCFC症候群および遺伝子変異が同定されていないヌーナン症候群、コステロ症候群患者計48例の検体について、RAS/MAPKシグナル伝達経路の制御に関わる複数の分子の遺伝子についてシークエンスを開始した。全体の94%が終了した段階で、複数の多型データベースにない遺伝子配列を同定しており、さらに家族内検索や正常人での解析をすすめ、病因であるかの検討を続けている。
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