研究概要 |
本研究では, 新生児脳疾患の定量的診断支援を行うため, MRI装置を用いた計算機画像診断支援システムの開発を目的とした. 本年度においては, 特に(1)新生児脳MRI画像からの脳表輪郭の高精度抽出法, (2)半自動脳回分割法を提案した. 脳表の自動抽出法として, Thick-rubber-model(TRM)とよぶ手法を提案した. 同提案手法を6名の新生児脳に適用した結果, 二乗平均誤差1.5mmで抽出が行え, 従来手法の二乗平均誤差3.2mmと比較し, 高精度な抽出が行えた. また, 脳回領域の半自動分割法として, ユーザがラフに記述した脳溝ガイドラインを基に, デフォーマブルモデルのファジィ最適化により, 脳回を自動認識する手法を提案した. 同手法を14名の新生児・小児脳MR画像に適用した結果, 感度92.8%, 擬陽性率0.1%で脳回の萎縮度定量化が可能であった. これらの研究により, 新生児を対象とした, MR画像を用いた脳の形態的評価を提案した. 今後は, 新生児の超早期画像診断技術への応用が期待される.
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