研究課題
極微小プラスチックシンチレータを直径1mmの光ファイバの先端に配置したSOF線量計(Scintillator with Optical Fiber dosimeter)では、150keV以上のガンマ線を測定する際に光ファイバ内で発生するチェレンコフ光が原因で、センサ一部以外での測定値増加が問題となることから、チェレンコフ光の除去が必要不可欠である。チェレンコフ光の除去方法として、シンチレータを有するプローブと有しないプローブで同時に測定を行い、計数値の差し引きにより光ファイバ内で発生した信号を除去する方法が一般的に行われているが、SOF線量計ではパルス計測による同時計数回路の構築が可能であることから、シンチレータの発光波長範囲とその他の波長をダイクロイックミラーで分光し、反同時計数回路を用いてシンチレータ光のみを直接的に測定することを試みた。装置製作の遅延による繰越予算にて光学設計された分光装置を設計・製作し、実験を繰り返したが、反同時計数回路による測定では思わしい結果が得られなかった。しかしながら、本測定系では、分光機構による独立した計数回路があるため、低波長側にはシンチレータ光+チェレンコフ光、光波町側にはチェレンコフ光のみが含まれるシグナルと考え、シンチレータによるシグナルと光ファイバによるシグナルを独立して計数出来ることから、1本の光ファイバで差し引き法によるチェレンコフ光による影響の除去に成功した。
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Physics in Medicine and Biology 54
ページ: 2079-2092