研究概要 |
極微小プラスチックシンチレータを直径1mmの光ファイバの先端に配置したSOF線量計(Scintillator with Optical Fiber dosimeter)について、理論的背景の考察および実証実験を行い、パルスカウンティング法によるSOF線量計が理論的に可能であることをシミュレーションおよび実測により確認し論文にまとめた(M. Ishikawa et.al., Phys. Med. Biol 54, 2079-2092(2009))。 昨年度に製作した16chのSOF線量計の性能評価を行い、16チャンネルで独立した測定が可能であることと同時計数回路による測定が行えることを確認した。しかし、電気ノイズによる誤差が大きいため改良の必要性が示唆された。今後、192chでの運用を考えた場合、アナログ回路での干渉を避けるためにも、ASIC等を用いたデジタル信号処理を検討する必要がある。 150keV以上のガンマ線を測定する際に問題となるチェレンコフ光によるノイズを除去するために、シンチレータの発光波長範囲とその他の波長をダイクロイックミラーで分光し、反同時計数回路を用いてシンチレータ光のみを直接的に測定することを試みたが、思わしい結果が得られなかった。しかし、適切な波長で分光することによって、低波長側にはシンチレータ光+チェレンコフ光、光波町側にはチェレンコフ光のみが含まれるシグナルと考え、これらを差分することによって、精度良くチェレンコフ光によるノイズ成分を除去できることが確認できた。
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