申請者は骨リモデリングの制御機構を明らかにするため、骨を構成する3つの責任細胞(破骨細胞、破骨細胞、骨細胞)のトランスクリプトーム解析を展開した。骨芽細胞は、骨形成状態と破骨細胞支持状態の比較、破骨細胞では、分化因子(RANKL)によって誘導される遺伝子を解析した。骨細胞においては、骨組織内を擬似するために新規3次元培養系を確立し、応力反応に感受する遺伝子を網羅的にプロファイリングすることに成功した。得られた候補遺伝子の機能を明らかにするために、shRNA法を用いた遺伝子のノックダウンシステムを構築した。また申請者は、筋肉細胞特異的な細胞死を誘導するマウスを構築し筋萎縮に伴う骨粗鬆症モデルマウスを確立することができた。これは人間の加齢に伴う運動機能の低下伴う骨量減少に酷似した有用な実験モデルと考えられる。さらに候補遺伝子を標的としたコンデッショナル遺伝子改変マウスの作成を鑑み、ES細胞のスクリーニング系を構築した。20年度は、各種細胞(破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞)の分化および機能解析から選抜された候補遺伝子のコンデッショナル遺伝子改変マウスの作成を試みる。
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