転写因子Sox9の新規転写コファクターの同定とその解析を行った結果以下のような研究結果が得られた。 1、本年度は平成19年度にスクリーニングされた因子についてさらに詳細な解析を行った 2、その中で転写因子p54^<nrb>は胎生15.5日齢の四肢および成長板軟骨などSox9が生物学的に重要な組織に強く発現していることが明らかとなった。 3、p54^<nrb>はSox9と物理的に結合し転写活性を著明に増強させたのみならず、Sox9依存性の軟骨細胞特異的遺伝子のスプライシング制御に深く関与することを見出した。また構成的不活性型p54^<nrb>を過剰発現させたトランスジェニックマウスは軟骨細胞の機能不全による成長障害を示した。これらの結果より、内軟骨性骨形成におけるp54^<nrb>の生物学的重要性を明らかにした。 4、上記のp54^<nrb>の他に、DMドメインを有する新規の転写因子をクローニングしており、現在この遺伝子についての詳細な検討を進めている。この遺伝子は軟骨組織のみならず胎生期の精巣にも強く発現していることを見出した。今後さらに検討を進めていく予定である。
|