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2008 年度 実績報告書

多変数代数方程式のべき級数根解法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19700004
研究機関筑波大学

研究代表者

照井 章  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (80323260)

キーワード代数方程式 / べき級数根 / 記号的Newton法 / 近似GCD / 非線形最適化 / 勾配射影法
研究概要

本年度は、前年度の研究の際に生じた新たな課題として、本算法の初期因子に現われる(近似)重複因子を除去するために、係数に微小な摂動を加えることによって近似共通因子を実用的な精度と効率で計算する算法の研究を中心に行った。
本研究で主題にしているべき級数根の計算に当たっては、まず、与えられた方程式に対して、従変数に関する展開点を代入し、与えられた方程式を主変数に関する1変数代数方程式にする。そして、その代数方程式の根を求めることにより、初期因子を計算したのち、べき級数展開を行う。
この初期因子の計算において、重根を分離する必要があり、厳密に重複した因子(重根)は厳密な無平方分解(GCD計算)で除去可能である。しかし、近接根に対応するような因子は厳密なGCD計算では除去できない場合がある。このような場合の算法として、近似GCDを計算するためのさまざまな算法が提案されている。
本年度の研究では、与えられた2つの1変数多項式(一方の多項式がもう一方の多項式の導関数でないようなもの)に対し、それぞれの多項式の係数に摂動を加えることにより、互いに共通因子をもつようにし、近似GCDを求める算法を研究した。その結果、非線形最適化法の一つである勾配射影法に基づいて、安定かつ効率的に近似GCDを求める算法の開発に成功した。計算機実験により、同様に最適化法のアプローチをとる既存の方法と比較し、計算速度で最大約30倍のスピードアップが達成されることを示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Words, filings and combinatorial spectra2009

    • 著者名/発表者名
      Jun Morita and Akira Terui
    • 雑誌名

      Hiroshima Mathematical Journal 39

      ページ: 37-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Recursive polynomial remainder sequence and its subresultants2008

    • 著者名/発表者名
      Akira Terui
    • 雑誌名

      Journal of Algebra 320

      ページ: 633-659

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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