研究課題
今年度は、昨年度行った「MSO問い合わせのアルゴリズム」に関する論文をジャーナルに発表した。この研究では、単項二階述語論理とよばれる形式論理を用いた、XMLデータの問い合わせを、高速に行うアルゴリズムを構築する、ことが目的で、入力に関しても出力に関しても線形時間で行うことが新規性となっている。本ジャーナル論文ではその数学的詳細を含めたものとなっている。また、本年度は最終年度ということもあり、これまでのツリーオートマトン・ツリートランスデューサによるXML処理・XML型検査に関する理論と実践を集大成した著書を単著で全文英語で執筆し、ケンブリッジ大学出版より出版した。この著書では、専門家だけでなく入門者も想定し、基礎的な概念である、スキーマやツリーオートマトン理論から始め、XML型検査、ツリートランスデューサ、逆推論、MSO問い合わせ、高速ツリーオートマトンアルゴリズム等を網羅し、多数の例と演習とともに、なるべくわかりやすく解説し、充実した内容となった。
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Theoretical Computer Science
巻: 411(38-39) ページ: 3481-3492