XMLとは、国際産業標準規格機構W3Cが1998年に制定した汎用データ形式であり、現在最も多くのソフトウェアで採用されているフォーマットの一つである。XMLが急速に広まった理由に、XMLにはスキーマというデータの制約条件を指定する機構が提供されており、それによりユーザが自由に独自のフォーマットを定義することができるということがある。そのことは同時にXMLからXMLへのデータ変換をする必要性が高まった。しかしこのとき、変換を行うプログラムが誤作動を起こすと、とくにそれが運用段階であると、修復のために多大なコストがかかる。現行のXML技術では、これはできるだけ多くの入力を用いてテストすることによって検査するが、この手法ではテストの漏れがないことは保証不可能である。型検査とは、プログラムの解析によって、このような誤作動を開発段階ですべて発見する技法である。本研究課題は、XML変換プログラムの型検査を、「トランスデューサ理論」を用いて、「厳密」かつ「高速」に行うことが目的である。
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