研究課題
1.量子アルゴリズムをエラーの影響が少なくなるように実現するには、アルゴリズムを実現する量子回路をエラーの影響が少ないと考えられる回路モデルで実現することが重要であると考えられる。そのたため、現在最も操作エラーが少ないと考えられている量子計算の実現モデルであるLinear Nearest Neighbor(LNN)アーキテクチャ上で動作するように量子回路の変換がしばしば行われる。その変換が実際に正しく行われたかどうかをチェックするために、量子回路の等価性判定が重要である。これに関して、すでにReversible Miterという概念を用いて等価性判定を効率的に行う手法を提案していた。今年度はその手法をさらに改良して、単純に回路全体をユニタリ行列に変換してから等価性を判定するよりも多くの場合で効率的に量子回路の等価性判定が高速にできる手法について検討し、ベンチマーク回路で実際に手法が有効であることを確認した。2.現在までに提案されている量子回路設計手法は、ほとんどが大規模な量子回路を扱うことができない。そこで、大規模な量子回路でも組織的に設計できる手法として、Decision Diagrams for a Matrix Function(DDMF)と呼ばれる2分決定木をトラバースすることにより、多くの有用な量子回路が効率的に設計できる手法の開発を行った。
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電子情報通信学会論文誌 vol.J93-D, no.3
ページ: 253-264
Quantum Information and Computation (未定(採録決定))
Quantum Information and Computation vol.9, no.5&6
ページ: 423-443