• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

アルゴリズムの構造を反映する数理モデルの構成と応用

研究課題

研究課題/領域番号 19700012
研究機関法政大学

研究代表者

倉田 俊彦  法政大学, 経営学部, 教授 (40311899)

キーワードプログラム意味論 / ラムダ計算 / 層論 / 領域理論
研究概要

これまでの考察において, 完備半順序集合の層の概念を導入し, 「これが十分な大域元を持たないカルテシアン閉圏の構造を与えていること」と, 「その間に定義される任意の連続関手に対して不動点となる層を構成できること」を示した. これらの性質は「プログラムの内包構造を捉えることのできる数理モデルの構築」を保証していて, 集合と関数の概念に基づく従来の枠組では実現できない著しい特徴を与えている.
従来の研究の中で「プログラム内包構造の数学的特徴付け」を可能とするほぼ唯一のアプローチとして, 1980年代から行われた高階遂次性に基づくモデル (遂次構造と遂次アルゴリズムから構成される圏などが知られている) の研究がある. そこで, 今年度の考察では, 主にこうした構造の比較を行い, 「既知の枠組が層の概念を特殊化することによって得られないか? 」更に「層を使って説明できない場合は全てを統一的に説明できるより抽象的な概念が存在しないか? 」といった観点から考察を行った. その結果として, 「遂次構造 (圏の対象に相当) には, プログラムの計算過程を断面と見なすことによって, 自然な形で前層の構造が含まれている」ことが分かった. その一方で, 遂次アルゴリズムの概念に対しては, 自然変換 (層の構成する圏の射に相当) によって記述されることが期待されるが, これについての可否は現時点では不明であり, 来年度以降の課題となる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 完備半順序集合の層に関する双極限の構成2009

    • 著者名/発表者名
      倉田俊彦
    • 雑誌名

      京都大学数理解析研究所講究録 1635

      ページ: 60-76

  • [学会発表] Sheaf Semantics and Higher-Order Sequentiality2009

    • 著者名/発表者名
      倉田俊彦
    • 学会等名
      日本数学会年会(分科会特別講演)
    • 発表場所
      東京大学数理科学研究科
    • 年月日
      2009-03-26
  • [学会発表] A fixed point construction for continuous functors on sheaves of dcpos2008

    • 著者名/発表者名
      倉田俊彦
    • 学会等名
      日本数学会秋季総合分科会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2008-09-27
  • [学会発表] Lambda-algebras by inverse limit construction on sheaves of dcpos2008

    • 著者名/発表者名
      倉田俊彦
    • 学会等名
      RIMS共同研究 : 証明論と論理・計算の構造
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 年月日
      2008-09-08

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi