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2007 年度 実績報告書

分散環境における量子計算能力のネットワーク形状に着目した解析

研究課題

研究課題/領域番号 19700019
研究機関日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所

研究代表者

谷 誠一郎  日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, 研究主任 (70396183)

キーワード量子計算 / 量子通信 / 量子情報処理 / 通信複雑さ / 量子プロトコル / 分散計算 / ネットワーク / 量子情報
研究概要

量子情報処理は将来の革新的情報処理技術として世界的に注目を集めている。現代のネットワーク社会を考えれば,将来,通信ネットワークを介した量子情報処理,すなわち量子分散処理は必須の技術となりうる。平成19年度は,大きく分けて,量子分散処理に関する二つの成果が得られた。
1.多数のノードから構成されるネットワーク上の2つのノードに入力が分散して与えられている時に,その入力に依存する関数を計算するのに必要な通信量の下界を検討した。その結果,十分小さな誤り率を許す場合,下界は,上記2つのノードが直結しているときに必要な通信量および,ネットワークの形状を規定する数種のパラメータで特徴づけられることを明らかにした。この定理は,2つのノードに入力が与えられることを仮定しているが,さらに多くのノードに入力が分散して与えられる,より一般的な設定にも適用可能な場合がある。そのような場合の典型例として,リング型ネットワークを構成する各ノードの優先順位に重複がないか検査する問題をとりあげ,定理を適用したところ,ほとんど最適な下界を与えることがわかった。この定理より与えられる下界は,分散環境において量子プロトコルを設計する際に,通信量最適化の指針を与えるものである。
2.量子状態の性質を用いることにより,古典情報を表現する量子状態に対して過去に情報抽出を行ったことを検出する技術に関するものである。これは,量子分散処理を行う際に,その処理が正しく行われたことを保証するために重要である。本研究では,元の古典情報がある種の確率分布をもつとき,過去に行った情報抽出の検出率と抽出された情報量とのトレードオフを解析的に評価した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] An analysis of quantum communication complexity depending onnetwork topologies2007

    • 著者名/発表者名
      Seuchiro Tani(第一著者), MasakiNakanishi, Shigeru Yamashita
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 量子情報技術研究会資料 QIT17-33

      ページ: 150-153

  • [雑誌論文] An informationtheoretic analysis of quantum string sealing2007

    • 著者名/発表者名
      Masaki Nakanishi(第一著者), Seiichiro Tani, Shigeru Yamashita
    • 雑誌名

      Proc.of 6th WSEAS International Conference on Information Security and Privacy (ISP'07)

      ページ: 30-35

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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