研究課題
1 リコンフィギヤラブルマシンにおけるプログミング環境には、DMA転送時間を効果的に隠蔽させるためのテータ配置が自動化されていないという問題があった。そこでTwisted Streaming DMAとよばれる新たな隠蔽手法を提案し、これを実現するための最適なデータ配置を整数計画法によって求めるプログラミング環境を実装した。商用リコンフィギャラブルマシンを用いた実験の結果、ソフトウェア実行に対して最大1.46倍の性能を達成した。また、フロントエンドにSIMT(Single Instruction Multiple Thread)プログラミングモデルを用いた処理系も実装し、このモデルがユーザによる並列アルゴリズムの記述を助けるだけでなく、メモリアクセス最適化などの種々の自動最適化処理を簡易化する効果があることを確認した。2 リコンフィギャラブルマシンのアプリケーションに含まれる共通のデータパスを自動的に結合し面積効率の良いパイプラインを自動合成する手法を提案した。また、このデータパス共有化が招く性能低下を抑制するために、複数のデータパスを類似のグループに分類する手法を提案し、これらの処理系を実装した。本手法をFPGAを用いた生化学シミュレーションシステムに応用し、適切なグループ化を行えば、本手法を使わない場合に比べて約66%のハードウェア量で同等のシミュレーションを実行でき,その際の性能上のオーバヘッドは約20パーセントであることを明らかにした。3 これらの成果を電子情報通信学会論文誌、FPL、ReConFigなどの主要国際会議、その他国内の会議、研究会等で積極的に発表した。また成果の一部は情報処理学会の英文論文誌にも投稿中である。
すべて 2009
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電子情報通信学会論文誌 J92-D(12)
ページ: 2127-2136