研究概要 |
本研究では,ユビキタス情報ネットワークシステムにおいて,その管理知識を管理者の手を煩わせることなく,そしてドメインに依存することなく蓄積・再利用する機構を構築するであり,これを実現するために,「能動的情報資源(Active Information Resource: AIR)」の概念を用いる。このAIRの概念を用いて,本研究では,まず,ユビキタス情報ネットワークシステムにおける,ドメイン毎の管理知識と構成情報を能動化(AIR化)する。本手法は,これまでの研究成果において実現されている,ドメインに依存した能動化手法ではなく,異なるドメイン間での連携を想定した手法として確立することを目的とし,その手法の提案と検討を行う。そして,提案手法により能動化されたAIRを各ドメイン内において,互いに協調・連携させ,各ドメイン依存の知識・情報と非依存の知識・情報との切り分けを行う。次に,各ドメイン非依存の知識・情報がドメインを超えて互いに協調し連携させるための機構・基盤の提案と検討を行う。そして,提案手法のプロトタイプシステムを構築し,実際のシステムにおいて試験運用を行い,提案手法の評価を行うことを目的とする。 本年度は,管理者の知識や構成情報を,再利用を前提として獲得し能動化する手法の実現,管理知識や構成情報とドメインの依存関係の調査・整理,ドメイン非依存な管理知識のモデル化と能動的生成手法の実現についての検討を行った.この検討を行う際に,本年度設備備品(ユビキタス環境シミュレート用端末,ユビキタスネットワーク用無線アクセスポイント)を用いてプロトタイプシステムの実装を行い管理知識やドメインに対する知識の依存関係を調査・検討した.
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