平成21年度は、情報収集を行うための、分散協調システムのモデル設計と、その実行プログラムを開発する為に、エンジンプログラムやXMLデータの構造の改編などを含め、以下の項目を実施した。 1) 情報収集の為のエージェントとなる、アルゴリズムを拡張ペトリネットで設計、このネットモデルをXMLを用いて記述した。 2) XMLをベースとして動く、エンジンプログラムの改良を行った。分散アルゴリズムの動作を実行する為に、複数のネットモデル同士で、条件を基準に情報の交換を可能にした。 3) 分散アルゴリズムを実行する、エンジンプログラムの動作試験として、画像データの色情報を取得するエージェントのネットモデルを設計。このモデルを複数用いて、一つの画像データに対し、複数のエージェントが取得情報を交換しながら、全体の情報を取得する協調システムを設計した 4) エージェント同士の情報交換の確認、および有効性を確認する為に、画像データに対する情報の取得について、交換を行うモデルと、行わないモデルとの比較実験を実施した。交換した情報を元に、自身が情報を記録するかしないか、の選択を行わせることで、全体として情報の重なり(同じ場所を複数のエージェントが取得する)が少なくなり、エージェントが持つ記憶容量を効率よく用いている事が確認できた 5) ただし、全体としての交換の頻度や交換する情報量によって、探索に大きく時間を取られている。 6) 以上の内容について、コンカレント工学研究会で発表を行った。従来の開発方法と比較した場合の有効性について、また探索時間、実世界におけるエージェントの位置と距離の把握など、改善に関する議論を行った。
|