本年(平成21年)度は主に、無線メッシュネットワークとセンサーネットワークから構成される無線ヘテロジニアスネットワークにおいて、異種ネットワークのノードが混在するノード間のリンクをたどってパケットをマルチホップさせることにより、1対多のマルチキャスト通信を行うためのプロトコルを実装したテストベッドを構築し、動作実験による性能評価を行った。 前年度までにおいて考案した無線ヘテロジニアス環境向けの非対称マルチキャストプロトコルを実装環境で評価するために、前年度に開発を進めたテストベッドの構成を改良し、無線メッシュルータの機能を4台のPC上に再現してそれぞれにZigBeeシンクノードをインタフェースとして取り付け、また別に用意した8台のZigBeeセンサノードを含めて無線メッシュネットワークとセンサネットワークの融合したネットワークの動作実装を行った。その上で、Tree-Basedのマルチキャスト経路制御プロトコルの性能を評価する実験を行い、コンピュータシミュレーションで得られた結果と同様に、パケット到達率を高く維持したまま1対多のマルチキャストのトラフィック収容量を数倍近く高めることをデータで確認した。現在、得られたデータを整理し、国内・国際発表の準備をしているところである。
|