昨年度までに開発した画像特徴量と擬似コードに基づく文書画像からの全文検索手法について、より広範なユーザを獲得することを目的として、ユーザーインタフェースの整備ならびに、検索システムを交換可能とするための部品化を行った。これにより、本研究で開発した検索システムを実用化する際の利便性が高まり、実際に京都大学文学研究科で開発を行っている文献研究用のツール「SMART-GS」に検索システムの提供を行った。また、検索システムの部品化に際して、検索エンジンを外部プログラムとして提供する場合に呼び出し側プログラムと通信すべき情報について検討を行い、その結果を取りまとめて画像の認識・理解シンポジウム(MIRU)2008において公表した。また、昨年度までの研究成果であるLSPCによる擬似コード変換技術と、その基盤技術の一つであるSLSHによる近傍探索技術について、その有効性の立証をより確かなものとするための追加検証実験を行い、それらを取りまとめて論文誌に投稿するための結果の蓄積を行った。また、昨年度までに予備実験を行っていた全文検索(Exact MatchingおよびInexact Matching)について、より詳細な検証のための実験環境の整備を行うとともに、多様な言語への適用可能性の確認の一環として、米国の手書き文書データベースからジョージ・ワシントンの手稿文に対する検索実験を行い、将来的に取りまとめて論文誌に投稿するための結果の蓄積を行った。
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