研究概要 |
本年度は、画像から形状の認識を実現するために、形状の特徴量抽出技術及び抽出された特徴量からの形状認識技術の研究を行った。具体的な例として、原子オーダで平坦化されたシリコン表面をAFMで測定した画像からステップとテラスを形状認識し分離するアルゴリズム開発について研究を実施した。 得られた画像データから3×3画素のマクロブロックを抽出し、8方向(45度刻み)を考慮したコードブックパターンを用いて演算し、最大強度を示すパターンを選び出す。最大強度を示したパターンを3×3画素から5×5、7×7、9×9、11×11まで順次拡大することにより、最少ブロックから周辺の輝度情報を考慮しながら当該ブロックの変化方向を抽出することが可能となった。 次に、8方向が考慮されかつサイズ可変のコードブックパターンにより抽出されたエッジ候補画素について、近接画素が互いにエッジ候補であれば同じグループに属するといったグループ分けを行い、さらにグループ間の相関性を演算することにより同一グループに属するかを判断する。ここでグループ間の相関を演算する際に一つのグループの特徴を表現する特徴量の抽出が非常に重要である。エッジ候補のグループ化の相関演算に用いる特徴量として、エッジ候補グループの"角度","方向","面積","形状"が重要であることが分かった。"角度","方向","面積","形状"を含む特徴量を用いて、エッジ候補のグループ間で相関演算を行うことが、エッジを特定するには有効であることが分かった。しかしながら、ノイズが含まれている場合などは、8方向を考慮したパターンによる抽出により、ノイズもエッジとして抽出される場合があり、その切り分け手法が今後の課題であることが分かった。 今後は相関演算に用いる特徴量の精査と特徴量を用いた相関演算の精度を高めることを課題とし、本研究を進める予定である。
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