研究概要 |
本年度は前年度に検討した3つの要素技術((1)空間分割法と誤差拡散法による3次元再生像のマルチカラー化手法(2)高精細LCDパネルを3枚使用した再生像の視域・像サイズ拡大手法(3)GPUボードの並列化によるホログラムのリアルタイム計算手法)を用いて, 電子ホログラフィックディスプレイの構築を行った. (1) について前年度は赤と緑の再生像の検討を行ったが, 本年度は青色レーザを導入することで3原色のマルチカラー再生像を得ることができた. (2) に関して前年度はハイビジョン対応高精細LCDパネル3枚を使用した光学系の構築を行ったが, 電子ホログラフィックディスプレイの視域はホログラムの表示面積に比例するため, 本年度は9枚に増設し17280×1080画素ホログラムの表示ができる光学系の構築を行った. この光学系を用いて視域・像サイズ拡大の効果を確認した. 更に, LCDパネルの増設に伴いホログラム計算の負荷が増えるが, NVIDIA社製GPUチップ(GeForceGTX260)を使用した3ノードのGPUクラスタを構築することで解決を図った. 約1000点で構築された3次元物体から17280×1080画素ホログラムを生成する場合, 本システムでは約67ms秒でこのホログラムを計算できることを確認した. つまり, このサイズのホログラムから, 秒間15フレーム程度の速度で再生像を観察することができた.
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