研究概要 |
近年, インターネットによるネットワーク環境下でリアルタイム3DCG(3次元コンピュータグラフィクス)を表現するためのWeb3Dと呼ばれる技術が進展著しく, さらに, ユーザがWeb3Dコンテンツを閲覧・操作するクライアント端末のハードウェアやその環境が多様化してきている. その一方で, 対応する技術がまだ未整備であることや, Web3Dで利用される高品質な形状表現形式が整備されていないなど, Web3Dはまだ世の中に広く浸透・普及しているとは言い難い。そこで本研究では, ネットワーク環境下における3Dコンテンツの品質の向上のための技術, および, Web3Dにおいて多様化するユーザの利用環境に対応するための技術を確立することを目的とする. そのために, ここでは近年の進展著しい曲面表現である陰関数曲面に注目し, Web3Dにおける高品質な3Dコンテンツの閲覧・操作のための基盤技術を開発する. 今年度の成果として, Web3D上で移動・変形する陰関数曲面を表現するための方法の提案, および, システムの開発を行った. まずは, 陰関数曲面のデータフォーマットにアニメーション機能を定義した. これは, X3DのScriptノードを利用することで対応した. 主なアニメーション機能として, 頂点毎の変形や, スキニング, キーフレームアニメーションを行えるようにした. 次に, 定義したフォーマットを再生するためのレンダリング・アニメーションのためのエンジンの開発を行った. また, 物理法則アニメーションの研究開発やこれらをWeb3Dとして発信するための方法論の提案なども行った. 特に, 陰関数曲面を入力として弾性体アニメーションを計算する方法を開発し, リアルタイムで変形することができることを確認した.
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