研究概要 |
映像を利用して磁性流体のスパイク形状の生成プロセスを観察し,CGで表現するため2次元のアルゴリズムを構築した.磁性流体を非弾性流体として考え,流体力学の基本方程式であるNavier-Stokes方程式を差分格子を用いて近似的に計算する手法を採用した.その結果,磁性流体の自由表面の特定の点に対して鉛直上向きの磁場を適用した場合,実際の磁性流体にみられるスパイク形状がディスプレイ上に発生することを確認した.また,一般的なNavier-Stokes方程式による非弾性流体の2次元CGのアルゴリズムを用いて,入力デバイスとして新しく開発したボール「跳ね星」を使って,ボールのバウンドが床面に投影された流体への力の作用点となって,グラフィックスの形,動き,色がボールの動きに対して違和感なく変化するシステムを開発した.システムでは,ボールのバウンドと同時に,バウンドした場所を起点として波紋や煙などの映像が生成される.今後,磁性流体のスパイク生成アルゴリズムの3次元化と芸術作品への応用を進める.
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