研究概要 |
研究初年度に開発した動作データの運動特徴分析システムを発展させることで,大規模な動作データベースからの高速動作データ検索システムを構築した.このシステムでは,複数の運動データの差異をテキスト形式で分析することで,動作データの特徴を簡潔に捉えつつ可読性の高い検索クエリーを自動生成する.検索クエリーが単純化されることにより,大規模データベースに対しても高速な照合が可能となった.その研究成果は,Computer Animation and Social Agents 2009に採録された. 次に,昨年度開発した運動編集インターフェイスを発展させることで,スポーツ動作データから解析された運動スキルを表す特徴成分を,他の動作データに埋め込むシステムを開発した.提案システムでは,2次元タイムライン上でのマウス操作によって運動特徴量を操作する技術成果を応用し,テニスショット動作のスイング速度や運動軌道を直観的に編集できるようになった.さらにユーザテストを通じて,システムの操作性や有用性を評価した.その成果はコンピュータアニメーションに関する著名な国際会議である,Symposium on Computer Animation 2009に採録された. 最後に研究の統括として,本研究遂行のために構築した,プロレッスンコーチと20代学生の男女総計40名のテニス動作データベースを整理し,外部研究機関向けに公開するためのホームページ(http://www.val.ics.tut.ac.jp/project/tennis/)を開設した.このホームページでは,コンピュータアニメーションの専門家以外の利用も想定し,様々なファイル形式で動作データを公開するとともに,基本的なデータ可視化ツールを提供している.
|