平成19年度は、まず、センサノードがデータをデータセンタまで送信する際の移動コストおよびデータ転送コストを低減するセンサノードの移動方式を考案した。 一般的にノードの移動に必要な電力とデータを送受信する際に必要な電力を比較すると、移動に必要な電力のほうが大きいため、移動距離を低減することによって、データを収集する際の総コストを抑えられると期待できる。具体的には、各ノードはマルチホップ通信を用いてセンシングデータをデータセンタへ送信するために一時的なネットワーク(収集ネットワーク)を形成することとし、データセンタは収集ネットワークに参加しているノードの位置を放送する。これにより、これからセンシングデータをデータセンタに転送しようとするノードは現在位置から最も近いデータセンタとの通信可能位置を知ることができるため、移動コストを大幅に削減できる。また、通信可能地点を考慮し通信経路を確立したノードの位置を放送によって送信し、その情報をもとにセンサノードはデータセンタと通信可能な位置で最も現在位置と近い位置を決定し、移動する移動方式を提案した。 また、収集ネットワークへ接続するために移動中のノードが他の移動中のノードと通信可能となった場合に、それぞれの目的地情報を交換し、協調的に動作して、移動コストの低減を図る方式についても提案した。 以上の提案手法に関して、シミュレーション実験を行い、手法の有効性を確認した。
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