研究課題
XMLはIT技術の中核をなし、今後は組込システム等の小型計算機上でも効率的な処理が必須となる。このような背景のもと、今年度はXMLの問合せ言語であるXQueryの処理に適したXMLデータの二次記憶への写像方式、アクセスパターンに適したデータ読出し、ならびにCPUとメモリ間のアクセスギャップを軽減するデータ読出し方式に関する研究を行った。データの二次記憶への写像には、表形式のDTMがブロックI/Oを基本とするディスクI/Oとの整合性が良いことを明らかにした。これは、消費電力の関係上、高性能なディスクを利用できない組込システム等の小型計算機にとって有効な手法であると言える。また、このDTMの性質はディスクだけでなく、ブロックI/Oを基本とするフラッシュメモリにも適用可能であると考えられる。一方、CPUとメモリ間のアクセスギャップを軽減するデータ読出し方式については、DTM等のアクセスパターンが単純なものに対して非常に効率良くデータをアクセスができることを示した。また、結合演算やB木索引等を高速に処理可能であることも示した。これらの技術は、消費電力の都合上CPUとメモリ間のアクセスギャップが大きな小型計算機や、特にDRAM混載LSI等を利用する組込システムで、XQuery問合せ処理の高速化に有効であると考えられる。上記の技術に加えて、ソフトウェア技術によるXQuery処理の高性能化、特にディスクバッファの構成方法の改良等も行うことにより、さらに小型計算機上でのXQuery処理の効率化が期待できる。
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IADIS International Journal on Computer Science and Information Systems Vol.2, No.1
ページ: 37-47
情報処理学会論文誌:データベース Vol.48, No.SIG11(TOD34)
ページ: 177-189