研究概要 |
火花放電の音の自動生成による表現の拡張を行った。火花放電は,放電時に衡撃波が起こることで音が発生する。仮想環境の実現に,火花放電パターン生成時に,対応する音の作成を行うことによる聴覚による提示が効果的であると考えられる。放電の音生成は,音源である放電パターンが動的に生成されるため,放電発生タイミング,放電パターン形状,シミユレーシヨン空間の規模,放電パターンの空間解像度,音源と受聴点との位置関係などから,適切な音を計算し,生成する。インタラクティブシステムのために,音の生成をリアルタイムに行った。 雷鳴は放電により発生する。放電路の空気が急激に熱せられ,爆発的に膨張し衝撃波を発生させると考えられており。生じた衝撃波が雷鳴の原因である。雷鳴は近距離では爆発音と同じ響きをもつが,遠方では衝撃波が空気中を伝わる際に,地面などへの反射を繰り返しゴロゴロと聴こえる。衝撃波波形はN型の波形になっていることからN波と呼ばれる。 Glassnerの雷鳴生成手法では,稲妻のストロークを3〜5[m]の線分に分割し,各線分から衝撃波を発生させて,その放電パターンに依存した雷鳴を生成している。この手法では,衝撃波にN波を基本として,受聴点での線分の仰角に応じて用意された波形(WM-Wave)を用いている。N波の持つ周波数は放電の規模に依存している。本研究では雷放電を含めた,様々な規模に対応した音の生成が可能なシステム開発を行った。
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