本研究では、研究領域の垣根を越えた統一的な設計原理構築を目指し、特に、様々な分野にまたがり関連する研究を、分類軸を参照しつつ、分野間の関係を明示的かつ多角的に捉え、整理し考察することによって、これまで曖昧であった一連の研究分野間の全体像を明確にすることを目指した。 初年度は、(カンファレンスや学会誌単位などの)テーマに沿って情報系分野4学会、経済学分野2国際会議の文献と書誌情報を収集した。これらの文献情報と研究内容に関する関係を研究分野間の関係性としてネットワーク的に捉えることで、各研究分野を中心とし様々な視点から視覚化・分析・比較を行うことに重点をおいて研究を行った。特に、経済学2誌「JEBO」と「JEDC」における研究分野把握実験において、エキスパートとノービス間で研究分野認識率にほとんど違いがなく、エキスパートにおいても現状を把握することが難しいこと、更に、実験のアンケートによりユーザー個々の認識方法に大きな違いがあることが発見された。この違いをはっきりさせるため、階層差分グラフによる新手法をシステムに構築し、比較を行なった結果、ノービスに対してエキスパート以上の専門分野把握の支援を行なうことに成功した。
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