本研究では、研究領域の垣根を越えた統一的な設計原理構築を目指し、特に、様々な分野にまたがり関連する研究を、分類軸を参照しつつ、分野問の関係を明示的かつ多角的に捉え、整理し考察することによって、これまで曖昧であった一連の研究分野間の全体像を明確にすることを目指した。今年度は、(カンファレンスや学会誌単位などの)テーマに沿って集められた文献情報に基づき、文献と研究内容に関する関係を研究分野間の関係性としてネットワーク的に捉えることで、各研究分野を中心とし様々な視点から視覚化・分析・比較を行うことに重点をおいて研究を行った。その主な内容を以下に示す。 分野の精通者(エキスパート)と、初心者(ノービス)の研究分野把握において、研究分野ネットワークの構築と視覚化により、主にノービスの研究分野把握をエキスパートのレベルにまで引き上げる支援のために分野の階層構造に注目し、ユーザの視点にあった分野の階層情報をユーザに要望に合わせて提供するインタフェースを構築した. 構築された分析システムを用いて、様々な分野、会議において、実践的な分析調査を行ない、学会間の見えざる専門性の違いや、ユーザの知識に基づく情報の提供などが効果的に行えたことを被験者実験により確認した。
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