研究概要 |
昨年度に車両配送問題(VRP)に対して高精度の近似解を得ることのできるMemetic algorithm (MA)(遺伝的アルゴリズムと局所探索法を組み合わせた手法)を考案したが, 計算速が従来方法よりも多くかかるという点が問題であった. 今年度の研究では, MA内で用いる局所探索を効率化することで解の精度を落とすことなく計算速度を4-5倍程度速めることに成功した. 一般にMAの問題点として局所探索に要する計算時間が問題となることが指摘されて1いたが, 本研究ではこの問題点を解決するための一般的な指針を与えた. VRPの中でも時間枠制約が課された問題であるVRP with time windows (VRBTW)は最も研究されている問題である。今年度の研究では, VRPTWにおけるトラック数最小化のための優れたメタヒューリスティクスを考案した。この手法は従来提案されてきた手法を計算速度・解の質の両面で上回ることができた. この結果は2009年に海外論文誌に掲載される予定である. また, この手法をさまざまな組合せ最適化問題へ適用可能なように一般化した枠組み(Guided ejection search, GES)を構築した. GESをジョブショップスケジューリング問題へ適用し, 従来の最も優れた近似解法に匹敵する性能を持つことを示した. この成果は2009年の国際会議でBest paper awardを受賞した.
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