研究概要 |
本年度は,これまでに開発してきた,意味情報を利用したウェブサービス連携システムを拡張し,コミュニティの手でウェブサービスやその連携を登録・実行できるようにするためのウェブサービス連携ポータルの開発を行うことを目標に,研究を遂行した。目標の遂行のために,ウェブサービスのWebからの登録・閲覧機能を設けて一般のユーザにも扱いやすくし,ラッパーをベースとした既存のウェブ上のサービスを扱える形のポータルサイトを実現するための技術的な検討を進めた。この検討のために,ウェブサービス連携システム運用装置としてサーバ型PCを1台購入し,その装置上での各種検討を行った。その概要は次の通りである。1,すでに国内でも整備の進みつつあるJabionのバイオインフォ道具箱などの特定分野に関する既存のウェブサービス・オントロジーのポータルとの連携技術を検討し,相互運用を可能にするための技術的課題とその解決方法の検討を行った。2,ポータル上で操作が可能なウェブサービス連携機能の実装方法について検討し,そのユーザビリティとコミュニティベースによる発展の可能性について検討を行った。上記2つの検討課題を進めるにあたり,特に2つ目の検討課題の遂行に際して,高機能なウェブアプリケーションの実装プラットフォームが必要となった。この課題に対し,ウェブに特化したエージェントプラットフォーム技術として,これまでに申請者が開発を進めてきたMiLogおよびその派生技術を用いて,実装を進めた。また,既存のウェブ上のサービスを連携利用可能とするためのラッパープログラム実装技術としては,基盤研究(A)「ウェブサービス連携における高信頼かつ高度相互運用性を持つエージェント技術の開発」に関連して実装してきたラッパープログラム等を適宜活用する予定であったが,ウェブ上のサービスの形態の変化に対応するため,新たな実装の必要が生じた。また,上記システム中に組み込むことを想定した組み合わせオークション勝者決定アルゴリズムの改良とその評価も併せて行った。
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