研究概要 |
本年度は, これまでに開発してきた, 意味情報を利用したウェブサービス連携システムを拡張し, 意味記述の付与とサービス連携への利用が可能となるようにすることを目標に, 研究を遂行した. 目標の遂行のために, これまでに開発したサービス連携発見支援機構を拡張し, コミュニティからの投票行動によるフィードバック機構を統合することにより, サービス連携候補の選定アルゴリズムにコミュニティによる利用履歴とその後の評価などの結果をフィードバックできるようにすることを目指した。この段階で, コミュニティからの投票行動に基づくサービス連携選択アルゴリズムの1つの実現方法として組み合わせオークションメカニズムに注目し, サービス推薦アフィリエイトメカニズムとの連携も視野に入れ, アルゴリズムの改良とその性能の解析を進めた. この検討のために, ウェブサービス連携システム運用装置としてサーバ型PCを1台購入し, その装置上での各種検討を行った. 当初は, すでに国内でも整備の進みつつあるJabionのバイオインフォ道具箱などの特定分野に関する既存のウェブサービス・オントロジーのポータルとの連携技術を検討していたが, 研究の遂行の過程で, アルゴリズムの性能をより詳細に解析・検証する必要が生じたため, その解析・検証作業を中心とした形での研究を遂行することとなった. 結果として, 開発を行ってきたアルゴリズムが, 特定の条件下では, 従来手法と比較して大幅に(10倍程度以上)高速な動作を実現できることを示すことができた. 一方で, 性能解析に注力したことにより, アプリケーションシステムへの組み込みのために十分な時間をとることができず, ウェブサービス連携プラットフォームとの具体的な連携の実装を完了するには至らなかった. この点については, 現在実装を進めており, 次年度での学会発表等を通じて関連研究者らからのコメントをふまえて洗練を進める予定である.
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