• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

ジオメトリカルフラグメントスペクトル表現に基づくタンパク質の三次元構造類似性探索

研究課題

研究課題/領域番号 19700139
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

加藤 博明  豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (30303704)

キーワード分子構造情報処理 / 三次元構造類似性 / 構造活性相関 / 生体生命情報学 / タンパク質モチーフ / 化学グラフ / 構造データマイニング / タンパク質構造分類
研究概要

タンパク質の立体構造と機能との間には密接な関係があることは良く知られている事実である。本年度研究では、提案したGFS表現をもとに、タンパク質立体構造の類似性探索への応用を試みた。タンパク質全体構造への適用に際しては、タンパク質構造中のある特定アミノ酸残基、例えば、その構造が最も単純で(すなわち構造的な自由度が最も高く)、かつ出現頻度が比較的高いグリシン残基に注目し、全体構造をその中に含まれるグリシン残基に対応する点の集合として表現する。このような表現をもとに、グリシン残基間距離(対応するアルファ炭素の原子間距離)の情報をもとに、そのGFSを生成する。このような表現を行なうことにより、フラグメント列挙に関わる組み合わせ爆発を防ぐとともに、主鎖の向きを変えるターン領域など、構造的に重要な役割を果たしていると思われる部位の特徴を強調して表現することが可能となる。
最新のPDB(Protein Data Bank)から調整した実験用データセットを作成するとともに、これらに対する網羅的な構造分類を試みた。例えば、ニトロゲナーゼ(1NIPA)をクエリーとした構造類似性検索の結果、類似度上位に多くの興味深い構造を見出すことができた。このうち、1CP2Aはクエリー分子と同じタンパク質ファミリーに属しており、そのアミノ酸配列や折り畳みのパターンが類似している。従って、グリシン残基の空間的位置も比較的類似していることが予想され、このことは視覚的にも確認できる。一方、DNA結合タンパク質(1GCB)はクエリー分子とはその全体構造のサイズが大きく異なり、その折り畳みのパターンも全く異なる。しかしながら、二つのタンパク質分子のグリシン残基の空間的配置に注目すると、非常に類似していることが分かった。これらの結果は、タンパク質三次元構造特徴探索における本法の有用性を示すものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Structural feature analysis of human olfactory receptors based on the triplet pattern2009

    • 著者名/発表者名
      Chisato Morishita, Hiroaki Kato
    • 学会等名
      第37回構造活性相関シンポジウム
    • 発表場所
      北里大学薬学部(東京都港区)
    • 年月日
      2009-11-12
  • [学会発表] 重心からの距離情報に基づく分子の三次元構造特徴解析2009

    • 著者名/発表者名
      中谷光裕, 加藤博明
    • 学会等名
      第32回情報化学討論会
    • 発表場所
      常盤工業会館(宇部市)
    • 年月日
      2009-10-30
  • [学会発表] サブユニット間の会合領域に注目したタンパク質四次構造の自動分類2009

    • 著者名/発表者名
      吉廣伸也, 加藤博明
    • 学会等名
      第32回情報化学討論会
    • 発表場所
      常盤工業会館(宇部市)
    • 年月日
      2009-10-30

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi