研究概要 |
本研究の目的は, 複数のドメインに対する音声対話システムにおける, ユーザの発話の多様性に対しても頑健な言語理解・対話管理の実現である. 平成20年度は以下3点について研究を行った. 【LSM(Latent Semantic Mapping)を用いたユーザ発話のトピック推定】 LSMを用い, システム想定外発話に対しても頑健にトピックを推定する手法を開発した. ユーザがシステムの受理できない発話をした場合, システムは誤動作しないだけでなく, その発話のトピックを推定することができれば, その後の対話管理に有用である. そこでWebから大量かつ半自動的にテキストを収集し, さらにそこに含まれるノイズの影響を取り除くためにLSMを導入した. 【対話履歴とトピック推定結果を統合したドメイン選択の実現】 上記のトピック推定結果と対話履歴を決定木学習により統合し, ドメイン選択精度の向上を試みた. これによるドメイン選択精度の向上を評価実験により示した. またこの際に対話履歴とトピック推定結果が相補的な情報を持つことも明らかになった. 【文法検証結果を用いたヘルプのランキング】 ユーザの発話が想定外である場合に, システム側からユーザを誘導するヘルプメッセージを生成する. この際にユーザ発話の文法検証結果と当該ユーザの発話履歴を統合してヘルプ候補をランキングする手法を開発した. この際の正解ラベルは人手でも一意に決めることは難しいため, 複数の正解ラベルを付与し, これに基づきブースティングアルゴリズムを用いることでランキングを行った.
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