研究概要 |
本研究では,モバイルサービスの利便性向上を目指している.初年度である19年度においては,申請者の所属する研究室にて研究が行われてきたオントロジー工学の技術を限定された対象に適用して消費者行動モデルを構築し,新しい構築方法論を提案した.項目は次のとおりである. (1)従来検討されてきた,人工物の機能モデルを記述する枠組みを消費者行動のモデル記述に適用し適用可能範囲と限界を明らかにした。モバイルサービスは非常に数が増えており,最終年度までには大規模な対象への提案方式適用の道筋をつけなければならない.同時に本研究は全く新規の分野へオントロジー技術の適用であるため,まず対象を限定してオントロジー構築を行い,従来技術の適用可能性を見極めた. (2)上記(1)において方式の拡張が必要な部分を中心に例題の収集と分析を行い,記述枠組みの拡張方法について検討した.オントロジー構築については基礎理論検討,構築ツールの使用,および人工物のモデル記述経験を持つ申請者が中心となって行った.また,(1)で述べたとおり限定された範囲内でのオントロジーおよびモデル構築を行った. (3)モバイルサービスおよびそれを支える知識を統合的に記述するためのインタフェースを設計した.申請者の所属する研究室ではオントロジー記述のためのツール「法造」の研究開発を行っており,無償で成果を公開している.法造の利用によって消費者行動のオントロジー記述が可能である.しかし法造はあくまでオントロジーの記述ツールであり,消費者行動モデルを構築・分析するためのツールおよびインタフェースは別途必要であるためこれを設計した.
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