研究概要 |
本年度は, Webサービスの連携時における複合Webサービス実行の監視・制御による実行制御機構の開発を行った. Webサービスを連携させる際, Webサービスの連携ワークフローが確定したとしても, 同じ機能を備えたWebサービスが複数存在すれば, その中から連携させるサービスを選択しなければならない. ユーザには, 事前にどのサービスの組み合わせが最適か分からないため, 複合Webサービスの実行を通して, 最適な組み合わせを発見する必要がある. そこで, ユーザとのインタラクションを通してユーザからのフィードバックを得ながら, 最適なサービスの組み合わせを提案するサービス連携エージェントの開発を目指した. この目的を達成するために, 本年度は実行中の複合Webサービスの状態を取得・変更するメタレベル制御機能の開発を行った. さらに, コレオグラフィを記述する標準言語であるWS-CDLを用いて複合Webサービス間の情報の共有や内部処理の実行タイミングの制御を可能とすることで, メタレベル制御機能を用いた複合Webサービス制御用の複合Webサービスにより, 複合Webサービスの定義を変更することなく, 実行中の複合Webサービスの振る舞いを変更することを実現した. 本年度は, 実際にプロトタイプを実装し, 数種類の実行時制御に適用した結果, 大きなパフォーマンスの低下なしに必要な適応や協調が実現できることを確認した. 今後は, 昨年度のエージェント間の協調作業によるWebサービス連携技術と組み合わせることで, ユーザとの協調作業によるマルチエージェントベースの複合Webサービス実行フレームワークの開発を行い, 英語を介した日独マルチホップ翻訳サービスに適用することを目指す.
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