研究概要 |
本年度は次の3つのサブテーマの研究を行い,成果を挙げた. 【1】背景から人物領域を抽出する方法 テクスチャの少ない屋内背景環境と,テクスチャが多く含まれ照明変動の大きい屋外環境を対象として,環境に依存せずに効果的に人物領域を抽出するMRRF法を考案した.本手法を用いて,人物挙動映像における各フレームの人物領域の抽出を行った. 屋内外環境における人物の挙動認識実験において提案法の有効性の検証を行い,その結果を,国際会議(ICCAS2007:Seoul,Korea)等で発表し,また「MRRF法を用いた複雑背景下における人物の姿勢認識」と題した論文をBMFS学会誌に掲載した. 【2】記憶容量の少ない新しい動作表現法の開発 人物挙動の時系列画像を1枚の画像に圧縮し,大規模なモーションデータの記憶容量を低減する2手法を提案し,アルゴリズムの構築を行った.手法1及び手法2のキーワードはそれぞれ「JK法」及び「方向性モーションヒストリーイメージ法」である.実環境における検証実験を行い有効な結果が得られたので,手法1の結果を国際会議(IEEE IECON2007:Taipei,Taiwan)等,手法2は国際シンポジウム(The 13th AROB)等で発表した.手法1は手法2よりもよい認識結果を得ている.また,手法1及び手法2ともに時間方向に対称な動作の分離が不得手であるため,更なる改良を検討している. 【3】人物挙動の高速認識法の開発 【2】の検証実験結果より手法1を導入し,JK法に基づく大規模なモーションデータベースを構造化して高速に検索する手法を提案した.「モーションデータベースを用いた人の動作の高速認識」という題目で画像電子学会誌に掲載し,提案法の有効性を示した.
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