研究概要 |
H20年度は観察方向に依存しない高速な人の挙動認識法を開発するために, 次のサブテーマの研究を行い, 手法の有効性を実験により検証し, 成果を挙げた. 【1】特性情報空間の作成 平成19年度の検証実験結果より, JK法に基づく特性情報空間を作成した. 観察視点を増やして8方向(観察視点)から, 支援が必要と考えられる8動作(転倒, 腹痛, 荷物を持ち上げる, 荷物を持ったまま歩く等)を撮影し, 時系列画像103, 141枚をJK法により1,929枚に圧縮し, 特性情報空間に記録した. 【2】特性情報空間の構造化による高速探索法の開発 特性情報空間を多数の小超立方体(ビン)に分割し, B-tree構造でビンを記述する. 各ビンには挙動映像を表す点(の集合)が保持される. 未知の挙動映像が与えられると, それに最も近い挙動をこのB-tree化された特性情報空間から探索するプログラムの開発を行った. 【3】認識システムの実装 自動挙動認識システムの構築(モーションキャプチャから挙動認識を行うまでの処理)を行い, その性能を実験的に検証した. 人の挙動認識実験では約95%の認識率, また, 挙動及び観察視点の認識においては, 約83%の認識率を得た. 認識処理時間に関しては, 1画像あたり約2.5msという良好な結果を得た. 【4】成果発表 平成20年度は, 次の国際会議や論文誌等で研究成果を発表した. (1)International Workshop on Combinatorial Image Processing(2008年4月, ニューヨーク), (2)SICE Annual Conference 2008(2008年8月, Tokyo), (3)第27回計測自動制御学会九州支部学術講演会(2008年11月, 那覇市), (4)ICCIT2008(International Conference on Computer and Information Technology)(2008年12月, クルナ, バングラデシュ), (4)International Journal of Advanced Computer Engineering(論文誌 : 掲載決定)他
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