研究概要 |
本年度における研究成果として、1) 色弁別の困難な色覚特性を有している色覚異常者向けに、色覚特性の型を簡易に判定するJAVAアプレットベースのシステムの構築と判定結果の検証、及び、2) 色覚異常者において視認が困難な色の組合せを変換することで、視認しやすい色使いに変更する画像処理手法の精度向上、を実現した。 1) では, PCのディスプレイ上においてJavaアプレットベースのシステムにより、ユーザがインタラクティブにシステムを操作することにより、色覚異常者が、どのタイプの色覚かを測定するシステムを構築した。これは、色覚異常者には3種類の色覚特性があり、そのうちP型とD型のどの特性に属するかを判定するものである。本年度においては、さらに、色覚異常者が見えていると思われる色を模擬する液晶ディスプレイを用いて、本システムの判定精度の検証を行った。ディスプレイ上に模擬した色覚特性の型と、本システムにより判定された結果とは、9割5分以上の割合で一致していることを確認した。 2) では、与えられたカラー画像中に含まれる色を、色の種類に応じて分類し、それぞれの似た色ごとの領域間において、色覚異常者にとって混同しやすい色の組み合わせを検出する。さらに、混同色として検出された各領域間で、色混同が起こらないように色の修正を行う手法を実現した。各領域間において色の修正を行うことで、新たな混同色の組合せを生じないように、組み合わせ最適化による修正を実現した。本手法においても、色覚異常者が見えていると思われる色を模擬する液晶ディスプレイを用いて、本システムの実用上における有効性を検証した。
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