研究概要 |
モーションキャプチャ(以下MC)とは, 人物・物体の動きを3次元計測する技術で, 一般的に計測対象に装着するマーカー群とこれらを検出するトラッカーから構成される. 近年MCは映画やCM, ゲーム等のCGに係る映像制作用途に留まらず, 舞踏等の無形文化財や特定作業の熟練技能者の動き保存等, 様々な現場で実利用される技術として拡がりをみせている. またカメラやPCの高機能化・低価格化に伴い, 個人ユースへの展開も期待される. しかし, 既存のMC技術の多くは, 特殊なトラッカーや専用スタジオが必要, 設定・操作に専門スキルが必要等, 一般ユーザの気軽な使用は困難である. そこで本研究では, 光学式MC技術を基本とし, トラッカーとしてステレオカメラ1台, 最小限のマーカーによる小型・簡易なMCの構築を試みた. 提案した手法・技術を以下にまとめる. 1. 単眼カメラによる距離推定 : 対象を3次元計測するシステムを小型化するため, 単眼カメラによる距離推定法を提案した. 2. 3Dフローに基づく物体の運動推定 : ステレオカメラからの距離・カラー画像を用いた, 物体の運動推定法を提案した. これによって, マーカーを必要としないMCシステムが構築できる. 3. カラーマーカー追跡法 : 本研究で構築するMCシステムの基本となる. これによって, 特殊なマーカーを必要としない簡便なMCシステムが構築できる. 4. インビジブルマーカー : 本研究で提案するマーカーレスMCの概念である. 5. MCによるロボット教示 : 簡易型MCにより, 各種アーム型ロボットの教示・操作を実現した.
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