研究概要 |
研究代表者が行ってきた脚車輪型ロボットの研究により,機構と内界センサの構成だけで,外界センサを使わずとも,屋外山林も含めた多くの不整地に対応できる移動技術が実現できた.ただし,従来研究で用いた脚機構主体型の脚車輪複合機構よりも,車輪機構を主体にして,対象不整地の移動を実現できる最低限の補助脚機構を備えた機構構成にすべきことが,安全性・実用性・簡易性などの面から分かった.また,特に以下の例のように,福祉工学やレスキュー分野において,搭乗可能な不整地移動ロボットが求められていることが,愛知万博に出展した「チャリべえ」の研究でも明らかになった. ・障害者,高齢者などの歩行困難者が,車いすで屋外を自由に移動したいが,凹凸があり移動できない. ・歩行困難者がQOLの向上につながる山林浴をしたいが,移動できない屋外自然地形が多い. ・大規模災害時には瓦礫上を避難する必要があるが,車いすでは移動能力が不足し避難できない. そこで本研究では,車輪機構と簡易脚機能をもつ不整地移動ロボットを開発し,制御手法を構築することを目的とする.本研究を通じて,車輪主体型機構と内界センサの構成により実現できる不整地移動能力を探求することも目的である.
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