研究概要 |
本研究課題では、音声をはじめとする外部刺激が人間の心理・生体にどのように影響するかを調べ、それらを解析することにより、人間の感じる心地よさを定量化する. ここでは、脳波、心拍変動、呼吸、皮膚電位、眼球運動、脈波伝播速度などの生体情報と人間の感性との関係を明確にする. 獲得した生体情報と被験者の心理状態を、ニューラルネットワークを用いてコンピュータ上にモデル化することにより、様々な外部刺激が、どのような精神状態に誘導するのかを解明し、バーチャルセラピストとしてシステムを構築する. これまでの成果として、ニューラルネットワークを用いて人間の感じ方をモデル化することに関して「動的ニューラルネットワークを用いた人間の明順応モデル」日本感性工学会論文集vol.7, No.2, (2007)を発表している. また、「ニューラルネットワークによるボタン押し音評価モデルの構築」(文献1)においては、ボタンを押す音とその印象との関係をモデル化可能であることを示し、ウェーブレット変換による音声情報のパラメータを修正することにより、様々な印象のボタン音を構築できることを確認した.さらに、「Impression Evaluation Model for Button Sounds Using a Neural Network」(文献2)において、これらの研究成果を国際会議にて報告した。 生体情報と心地よさの関係については、今後さらなる解析・検討が必要であるが、本研究課題において、ニューラルネットワークを用いて人間の感性を抽出・理解し応用してくための基礎を確立し、多くの有益な新しい感性処理に関する知見を獲得することができた。
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