メタデータ応用ソフトウェアは、コミュニティの目的に合わせて応用毎に異なるメタデータ記述規則(メタデータスキーマ)を用いる。筆者は、これまで様々なメタデータデータベースやサブジェクトゲートウェイの構築をおこなってきた。これまでに得た知見では、メタデータを利用した応用ソフトウェアの基本機能は共通するものが多く、本質的に異なる部分は扱うメタデータスキーマである、というものであった。そこで本研究では、共通する基本機能とメタデータスキーマレジストリを基礎としてメタデータの流通性とメタデータ応用ソフトウェア開発効率を高めることを目的としたソフトウェア開発のモデルの提案とそれに基づいた支援環境の構築をおこなった。平成20年度では、以下の目標を設けて研究を進めた。 1. メタデータ語彙作成支援システムの改善 : 昨年度の評価に基づき、モデルとシステムの改善を図った。 2. メタデータ語彙の関連を利用したメタデータ横断検索システムの構築 : 昨年度までに開発したモデルに基づき、異なるメタデータ語彙間の関連を利用して複数のコミュニティが持つメタデータを横断的検索するためのシステムの開発を行った。 3. システム評価 : 本年度では、利用者を限定せず(a)において改善したメタデータ語彙作成支援システムの公開実験をインターネットにておこない、様々な利用者の観点からの問題を見つけ、その改善方法の検討を進めた。 4. 本研究の語彙作成支援システムを利用した歴史情報閲覧システムの開発を行った。
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