研究概要 |
物理的情報源(図書,雑誌など)と電子的情報源(Webなど)が混在した情報環境下における情報探索行動について,以下,2つの観点から検討を行った. 実験1:目標状態の明確性が情報探索行動に与える影響 実験2:情報探索に先立つプランニングが情報探索行動に与える影響 実験では,被験者にはレポート課題が与えられ,レポート課題を解決する際の情報探索行動が頭部カメラ映像,PCの操作ログ,発話プロトコルにより記録された.なお,実験は大学図書館内で実施された.実験1の目標状態の明確性については,レポート課題の明確なタイトル与える目的明確条件と,レポート課題の明確なタイトルは被験者自身が決める目的不明確条件に分けられた.また,実験2のプランニングは,2つの要因が設けられた.一方は必要となる情報をあらかじめキーワードとして書き出す情報に対するプランニングである(プランニングあり・なし2水準).他方は有益だと思われる情報源(Webのサイト名や図書名など)について書き出す情報原に対するプランニングである(プランニングあり・なし2水準). 実験の結果,目的の明確性は情報探索における情報ニーズ(Web検索時の新規キーワードの数で評価)の生成を促進する傾向があることが示された.また,情報探索に先立つプランニングを行うことにより情報ニーズの生成が促進される事が明らかとなった.情報または情報源のどちらかに対するプランニングは情報ニーズの生成を促進するが,同時に両方のプランニングを行った場合には,情報ニーズの生成の促進がなされないことが示された.
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