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2008 年度 実績報告書

特別支援学校における学校図書館の現状と課題‐全国悉皆調査と事例調査を通して‐

研究課題

研究課題/領域番号 19700233
研究機関専修大学

研究代表者

野口 武悟  専修大学, 文学部, 准教授 (80439520)

キーワード学校図書館 / 特別支援教育
研究概要

本研究は、これまで実態が詳らかでなかった特別支援学校の学校図書館について、その現状を明らかにするとともに、課題を総合的に考察することを目的としている。平成20年度は、前年度に実施した全国の特別支援学校を対象とした質問紙調査の結果を踏まえて、数校を事例として抽出し訪問調査した。事例調査を通して、質問紙調査で示された結果がより具体的に把握できた。
以上を踏まえて、研究の全体的なまとめを行った。特別支援学校における学校図書館の現状と課題としては、簡潔に述べれば、次の2点に整理できる。(1)特別支援学校と小学校、中学校、高等学校の学校図書館とを比べると大きな差がある。特別支援学校の特殊性は、一つの学校のなかに、小学校相当から高等学校相当まで、すなわち、小学部、中学部、高等部が設置されていることである。ところが、現状では、蔵書冊数一つをとっても、小学校の水準をさえクリアできていない。(2)特別支援学校の校種間、本校と分校の間、そして設置者(国立、公立、私立、及び公立であれば設置している都道府県)の間で、それぞれ、現状に大きな開きが生じている。特別支援学校と一括りしてしまうと見逃されてしまう多くの問題が現状にはあることが、今回の調査では明らかとなった。とりわけ、知的障害特別支援学校の学校図書館は著しく低い水準に留まっており、そこには、単に人的体制や予算の不十分さ等の制度やシステム的なレベル以前のもっと根本的なところ、すなわち、視覚障害や聴覚障害に比して、知的障害のある児童生徒とその教育に学校図書館がどう関わっていったらよいのかという部分が、これまで学術研究でも現場の実践レベルでも十分に考究されておらず、共通理解されるに至っていないことが大きく影響していると考えられる。特別支援学校の学校図書館の充実には、行政、現場、研究者の三者が協力し、これらの課題の解決に取り組んでいくことが必要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 特別支援学校における学校図書館のいま<2>-所蔵メディアと利用・活用の現状と課題を中心に-2009

    • 著者名/発表者名
      野口武悟
    • 雑誌名

      学校図書館 689

      ページ: 55-58

  • [雑誌論文] 特別支援学校の分校における学校図書館の現状と課題-全国悉皆調査の結果から-2009

    • 著者名/発表者名
      野口武悟
    • 雑誌名

      学校図書館学研究 11

      ページ: 41-49

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 特別支援学校における学校図書館のいま<1>-施設・設備と運営体制の現状と課題を中心に-2008

    • 著者名/発表者名
      野口武悟
    • 雑誌名

      学校図書館 697

      ページ: 73-76

  • [学会発表] 特別支援学校における学校図書館の利用・活用の現状と課題-全国の特別支援学校を対象とした実態調査の結果から-2008

    • 著者名/発表者名
      野口武悟
    • 学会等名
      2008年度三田図書館・情報学会研究大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学三田キャンパス
    • 年月日
      2008-09-27
  • [学会発表] 特別支援学校分校における学校図書館の現状-全国悉皆調査の結果から-2008

    • 著者名/発表者名
      野口武悟
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第46回大会
    • 発表場所
      米子コンベンションセンタービッグシップ
    • 年月日
      2008-09-21
  • [学会発表] 特別支援学校における学校図書館環境の現状と課題-学校図書館の施設・設備、所蔵メディアの状況を中心に-2008

    • 著者名/発表者名
      野口武悟
    • 学会等名
      平成20年度日本学校図書館学会研究発表大会
    • 発表場所
      オリンピック記念青少年総合センター
    • 年月日
      2008-09-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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