研究課題
大学等の高等教育機関において教育の質の向上が求められてきている。これに伴い、大学の教育プログラムはより厳格化し、落とした単位を留年せずに取り戻すことが不可能となるケースも多く発生する。そのような学生を自己責任で切り捨てるのは容易であるが、修学支援の観点から「何らかの手段」で「落とさせないようにする」ような支援が求められている。本研究では、学生の取得済単位と現時点での履修状況等を知識として持ち、履修計画の立案及び履修中の科目を修得できなかった場合のリスクを予測し、履修計画の再計画を行い、回避不能の可能性の警告等の対応や、現在履修している当該科目の担当教員に対して指導依頼を行う修学支援エージェントを開発する。これにより、学生自身が単位を落とす前に落とした場合に予想されるリスクを把握し、事前に的確な対応を取れる様な修学環境の実現を目指している。これまでの成果として、所属機関の現行システムと同等の実験用データベースを構築し、所属部局において教員・学生を被験者とした運用実験を実施した。その実験の結果を分析し、システムの問題点、効果について考察を行った。また、所属大学の学科再編に対応するために、組織の改編に柔軟に対応できるようなデータベースの再設計を実施した。さらに、本システムで構築したデータベースを利用した、修学支援情報の検索システムについても研究を進め、学生や教員が修学、修学指導を行なう上で有用なデータを柔軟に検索できるシステムについても検討を進めた。
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電子情報通信学会技術研究報告 Vol.109, No.225
ページ: 17-20