研究概要 |
非ハリウッド型=日本型のゲーム産業システムの特徴として,「数多くの潜在的創作者が存在しており, そういった人々が次々と新しいコンテンツの上流を生み出すこと」「生み出されるコンテンツのビジネスユニット(制作者が生活を営むことが可能な売上ライン)が小さいこと」にある. そのことをPCゲーム制作者へのヒアリングとWeb調査で明らかにした. Web調査で明らかにした創作の傾向は次のとおりである : 1. 過去に何らかのジャンルのコンテンツを創作した経験がある人は過半数である。また、現在、継続的にコンテンツを創作している人は20代では20%程度存在する。 2. イラスト・マンガ・小説では女性の方が創作活動をしている比率が高く、ゲームと映像制作では男性の方が創作活動をしている比率が高い。 3. イラスト・マンガ・小説のいずれも、制作は個人、技術の習得は独学が大半である。 4. 制作された作品は、webで公開するのが3割、イベントなどで販売するのが10%程度である。自分の周辺の家族・友人に見せる程度の人が多く、人に見せる気が全くない層も存在する。 5. 創作される作品は、全体でみるとオリジナル作品の制作経験率が二次創作経験率を上回る。特に、コンクールに応募する層・誰にも見せずに個人で創作を楽しむ層でその傾向は顕著である。一方、Web公開・メディア販売といった形で外部に公開する層では二次創作の制作率が高い。
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