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2008 年度 実績報告書

フォルマント理論を凌駕する音声知覚モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19700242
研究機関東北大学

研究代表者

伊藤 仁  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00436164)

キーワード認知科学 / 実験心理学 / 音声学 / 画像, 文章, 音声等認識
研究概要

本研究課題では, 研究代表者が提案した局所変化率符号化(Local Vector Coding : LVC)を用いて音声信号を高精度に分析し, 様々な音響特徴量を変調した合成音声を作成して聴覚心理実験を行うことで, 従来のフォルマント理論では十分に説明できなかった人間の音声知覚のメカニズムを明らかにすることを目的としている。本年度はLVCに基づく音声信号の分析・変調技術に関して重点的に開発を進め, その成果を2008年の発表論文, および2008年9月の学会発表として報告した。この技術は, これまで分析が困難であった自然発話音声の非定常部を高い精度で分析できる点に特徴がある。また分析した音響特性に基づいて自然発話と同等の自然性を有する高品質の合成音声を作成することが可能である。成人男女や子供など様々な話者が発話した音声の音響特性をこの技術により分析し, これを変調した合成音声を刺激として人間の音声知覚過程を明らかにするための聴覚心理物理実験を行った。ここで得られた知見から独自の母音の知覚モデルを構築し, その成果を2009年の国内学会で発表した。このモデルは, フォルマント理論の基礎となった知見と, フォルマント理論では説明できない現象の両方を統一的に説明できる点に特徴があり, この研究分野で長く続けられてきた母音の知覚過程に関する論争の終着点のひとつと位置づけることができると考えられる。この知覚モデルの詳細は, 現在論文誌に投稿中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 正弦波モデルに基づく高品質音声変調の検討2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤仁
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告 EA2008-52

      ページ: 41-46

  • [学会発表] スペクトル全体形状モデルに基づく連続母音の音響特性2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤 仁,伊藤 彰則,矢野 雅文
    • 学会等名
      日本音響学会春季研究発表会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-03-17
  • [学会発表] 正弦波モデルに基づく非定常音声の分析と変調2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤 仁, 小原 桂二, 伊藤 彰則, 矢野 雅文
    • 学会等名
      日本音響学会秋季研究発表会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-09-12

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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