研究概要 |
本年度は, 先ず昨年度に発表した, ベキ正規分布に基づく多分岐樹木構造接近法の内容を論文化し, 日本計算機統計学会に投稿した. 現在, 本論文は査読中であり, 近日中に結果が届く予定である. そして, 新たな接近法として, 生存時間研究におけるデータピーリング接近法を提案した. 本手法では, 潜在基礎分布にベキ正規分を想定したもとで極端に生存率が高い, あるいは低い集合を共変量空間を座標軸に沿って抽出する方法であった. 本手法は, 日本計算機統計学会第22回大会において発表した. 現在, 論文執筆作業中である. さらに, アンサンブル学習法の深耕にも取り組んだ. そこでは, アンサンブル学習法の中から, とくに多重加法型回帰樹木法をとりあげ, その有用性を実際データの分析を通して検討した. その成果は, 土木学会景観・デザイン論文集に掲載予定である. 癌臨床試験における研究では, 大阪消化管がん化学療法研究会のなかで取り組んだ, 第II相ランダム化臨床試験の研究成果が, ASCO GIにおけるオーラル・プレゼンテーションに選ばれた. ASCO GIでは, 数百の応募の中から, 100程度の演題が選ばれるが, そのなかから, オーラル・プレゼンテーションに選ばれるのは, 僅かに10演題のみである. 昨年度は, 日本から2演題のみが選定され, そのなかの一つが我々の研究成果であった. この研究は, 現在, 追跡期間中であり, それが終了次第, 論文として投稿予定である.
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