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2007 年度 実績報告書

反事実モデルに基づく因果的効果推測法の統計数理基盤の強化とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 19700262
研究機関大阪大学

研究代表者

黒木 学  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (60334512)

キーワード非逐次型構造方程式モデル / 介入効果 / 未観測交絡因子 / ハンティング現象 / 線形計画法 / 反事実モデル
研究概要

平成19年度は,(I)未観測交絡因子が存在する場合の因果的効果の識別問題,(2)非逐次型構造方程式モデルに基づく統計的因果分析技術の開発,を目的とした研究を行い,以下のような結果を得た.
1.線形構造方程式モデルに基づいて,未観測交絡因子が存在する場合の因果効果の識別問題と古典的な因子モデルの識別可能性問題が密接に関連していることを指摘し,これを利用して新たな因果効果の識別可能条件を与えた.
2.従来の因果推論研究では積極的に議論されることのなかった「非逐次型線形方程式モデルにおける介入効果の評価法」を理論的に考察し,介入効果の定式化を行うとともに,最適な条件付き介入方式を定式化した.加えて,非逐次型線形構造方程式モデルにおいては常に最適介入方式が存在するとは限らないことを指摘した上で,これが存在するための条件を与えた.さらに,制御工学では過度な制御がハンティング現象という深刻な問題を引き起こすことが知られているが,この現象が引き起こされるメカニズムを統計的因果推論の立場から明らかにした.
3.Balke and Pearlにより開発されたシンボリック線形計画プログラムを用いて,直接効果の存在範囲を定式化し,直接効果が存在する場合の因果効果の推定可能条件および統計的性質を明らかにした.同様に,未観測交絡因子が存在する場合の因果効果の評価方法を与えるとともに、その推定精度について明らかにした.また、その結果を医学に応用した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 未観測交絡因子が存在する場合の総合効果の識別可能条件2007

    • 著者名/発表者名
      黒木学
    • 雑誌名

      応用統計学 36

      ページ: 71-85

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evaluation of the Causal Effect of Control Plans in Non-Recursive Structural Equation Models2007

    • 著者名/発表者名
      M. Kuroki, et al.
    • 雑誌名

      Uncertainty in Artificial Intelligence 23

      ページ: 227-234

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bounds on direct effects in the presence of confounded intermediate variables2007

    • 著者名/発表者名
      Z. Cai, et al.
    • 雑誌名

      UCLA Cognitive Systems Laboratory R-335(N/A)

  • [学会発表] 非逐次的線形構造方程式に基づく条件付き介入効果の定式化と工程解析への応用2007

    • 著者名/発表者名
      黒木学
    • 学会等名
      日本品質管理学会第85回研究発表会発表要旨集
    • 発表場所
      中央電気倶楽部
    • 年月日
      2007-09-21

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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