平成20年度は、(1)処理変数/反応変数が観測できない場合の因果效果の識別問題、(2)不完全制御による品質特性のばらつきの変化め評価問題、(3)未観測交絡因子が存在する場合の因果効果の識別問題、に取り組み、次のような結果を得た. (1) ベイジアンネットワークの枠組みに基づいて、処理変数/反応変数が観測できない場合の因果効果の推定可能条件を提案した。また、この条件が満たされない場合に対しては、因果効果の存在範囲を明らかにした。 (2) これまで線形構造方程式モデルの枠組みで議論されてきた分散に対する因果効果の評価問題を大幅に拡張するとともに、その性質を明らかにした。また、その結果を品質管理に応用した。本研究結果により、第37年度日本品質管理学会最優秀論文賞を受賞した. (3) 線形構造方程式モデルの枠組みにおいて、未観測交絡因子が存在する場合の因果効果の評価方法を与えた. また、その結果を品質管理に応用した。この結果の一部を日本品質管理学会第88回研究発表会(関西支部)で発表し、最優秀発表賞を受賞した.
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