| 研究概要 |
塩基多型と表現多型を同時に同定する研究を昨年度に論文としてまとめた.投稿した論文はBMC Bioinfomaticsに受理された.対応するソフトウェアSNEPに関連したHPも完成した.その後,雑誌から,「あなたたちの論文は非常に高いアクセス数である」との報告をも頂いた,これまでの方法よりもパフォーマンスが優れていることが示唆されており,これまでよりも精度の良いデータ解析の結果が出てくることが期待される.
この結果に基づいて,共著者を含んだ遺伝学研究所の倉田研究室を中心として,さらなる研究が進んでいる.現実のデータに対してSNEPのパフォーマンスがより詳しく調べられている.さらに,塩基多型の検出だけに特化した,より精度の高い方法を,別の方向から構築中である.SNEPには,プローブセット内に塩基多型が多すぎる場合には,パフォーマンスが落ちる問題点があったが,それの克服を目指している.
本年度のもう一つの目標は,外れ値の割合が大きい場合におけるロバスト推測法において,単なる推定を超えた検定やモデル選択の開発であった.特に,外れ値の割合を,別に推定する必要があると考えられた.検定の方は,実は,外れ値の割合を明示的に推定する必要がなく,意外と簡単に構築できることとなった.モデル選択の方は,やはり,外れ値の割合を推定する必要がありそうである.その割合を推定する方法を考えて,モデル選択法の構築まで辿り着いた.今後は,そのパフォーマンスを調べていく予定である.
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